けいれん性発声障害ってご存知でしょうか?
以前「とくダネ!」というTV番組でも特集でやっていたことがあります。

そこで、けいれん性発声障害の症状や、現代の治療事情などについて調べてみました。
けいれん性発声障害~Spasmodic Dysphonia~ (略してSDともいう)
機能性発声障害の一つで、局所的な(主に喉に関係する筋肉)ジストニアの一種と考えられています。
咽頭ジストニアともいわれております。
声帯の筋肉が本人の意思に反して過度に収縮し、声帯が閉まって声が出なくなる状態になります。
※ジストニアとは、脳や神経系統の何らかの障害によって、不随意に(本人の意思とは関係なく)筋肉が収縮したり固まったりする疾患のことです。
けいれん性発声障害はどんな症状?
声帯そのものには異常が見つからなく、声を出そうとすると息苦しく、喉が詰まったり、震えたり、しめつけられるような感じがします。

やっと出せた声も、途切れ途切れに聞こえるのが特徴的です。
けいれん性発声障害の患者の悩み
・会話するとき、喉がつまり発声しにくいので「会話が聞きとりにくい」と聞き返され、仕事や人間関係で支障をきたす。
・気軽に通える医療機関が住んでいる地域にない(知識のある医師が少ない)
・声が普通に出る場合もあるので、周囲の人からは病気ではないと思われる。よって、「力を抜いて話したら」などと努力を強いられたりすることも精神的に苦痛になる。
など、症状そのものもつらいがそれに伴う精神的苦痛が大きいことも特徴的です。

ゆーかりも発声障害を抱えていますが、人と関わることが恐いと感じる時期がありました。
医療機関での治療法
ボトックス注射
医師の診断を受けて、ボトックスの注射を2~3か月に一度受ける。
注射の効果が効いている期間は喉のつまりはおさまるが、声がかすれる、嚥下しにくい、呼吸しづらいなどの副作用もあるようです。
さらにボトックス注射の治療をしている医療機関は少ないです。
音声訓練
病院で「けいれん性発声障害」という医師の診断を受けると、言語聴覚士による音声治療(音声訓練)に回されるということもあります。

手術(甲状軟骨形成術Ⅱ型)
長所
・局所麻酔で術中に声を聞きながら調節ができる
・声帯そのものにはダメージはない
・また、元の状態に戻すこともできる
短所
・声帯にチタンを埋めるため抵抗を感じる
・100%元通りの声が出せるようになるわけではないこと
などがあります。
全国の発声障害の診断、治療ができる病院が紹介されているこちらのサイトも、ぜひご参考になさってください。
私は数少ない音声外来にやっと受診した際に医師の前で、たまたま症状が出なく、「音声振戦です」といわれてしまい、音声訓練にもまわしてもらえませんでした。
患者にとっては「けいれん性発声障害」でも「音声振戦」でも、どちらであろうと治したい一心で受診するだけなのですが。

診断できる医師が数少ない上に、医師からの診断というハードルを乗り越えなくては、治療も受けられないという現状もあります。
自分でできる対処法
上記の治療法は、対応できる医療機関が限られており、住んでいる地域によっては音声外来が存在しない場合もあります。
さらに、私のように「病院で医師の前では症状が出ず、適切な治療を受けられない」というケースもあります。

そのため私は、自分なりに工夫しながら以下の方法を試してきました。
漢方薬を服用する
私は以前、オーダーメイドの漢方薬を処方してもらい、半年ほど続けたところで効果を感じ始めました。
具体的には、のどの詰まり感が軽減したほか、併発していた他の部位の筋肉のけいれん(おそらくジストニア症状)も少し落ち着いてきました。
現在はその薬局が閉鎖されてしまったため、同じものを入手することはできませんが、 市販の「半夏厚朴湯」 は同じような働きがあるとされており、試してみる価値があると思います。
また、信頼できる 漢方専門店や漢方薬局 を探して相談するのもおすすめです。
鍼治療を受ける
私自身、発声障害に悩む中で「鍼治療」を取り入れています。施術後は喉まわりの緊張がほぐれ、声のつまり感がやわらぐのを実感しました。
鍼治療は体質や症状によって合う・合わないがありますが、薬に頼らない自然療法として一つの選択肢になると感じています。
👉 鍼治療の様子については、こちらの動画で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ボイストレーニングをする
ボイストレーニングといっても歌を中心に教えてくれるボイストレーナーのもとに通うわけではなく、個人的に効果的な発声練習をするというものです。
私が一番効果があったなというメソッドは、弓場徹さんの「YUBAメソッド」というものです。

ゆーかりは、このメソッドを実践するようになってから、劇的に発声が楽になりました。
また、発声障害特有の症状で「喉が詰まり初音(しょおん)が出しにくい」という症状を軽減するための、効果的なボイストレーニングとして、以下の動画も参考になさっていただければと思います。
発声障害の改善方法は「これが正解」というものがなく、人によって合うものが異なります。
大切なのは、自分の体に合う方法を少しずつ試しながら、無理なく続けていくこと。
病院での治療に限らず、漢方や鍼治療なども選択肢に入れることで、回復のヒントが見つかるかもしれません。
その他の発声障害については、こちらの記事にも書いてありますのでご参考になさってください。