声が出ないと、日常生活はどう変わる?
声がうまく出せないことで、想像以上に日常の多くの場面に困りごとが生まれます。
たとえば接客業をしていた頃、
「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」が言えないと、それだけで職場で浮いてしまう。
お客様からも、「この子、やる気がないのかな?」と思われてしまっていたかもしれません。
飲食店での注文も、名前を呼ばれて返事をする場面や、雑談も……どこにいても声が求められる社会。
特に電話対応は本当に苦労しました。
静かに過ごしたくても、「声が出せない私」にとっては、常に緊張と不安の連続でした。
人と話すことが怖くなっていった
声がスムーズに出ないと、やがて「人と話すのが怖い」と感じるようになっていきます。
「声が変だと思われたらどうしよう」
「相手に気を使わせてしまうかも」
「会話が途切れてしまったら申し訳ない」
そんなふうに、自分が発する“声”に対して、過剰に意識するようになり、コミュニケーション自体を避けるようになってしまいました。
何が効いたのか?私が試した“喉を整えるケア”たち
ここからは、私がこれまでに試してきた発声障害対策・セルフケアを紹介します。
💊漢方薬
喉の調子が悪い時期、漢方薬を処方してくれる内科の先生に出会い、数年お世話になりました。
症状の根っこが「喉」だけでなく「自律神経の乱れ」や「ストレス」から来ているという視点で、体質改善的なアプローチができたことは大きかったです。
💆♀️ボイスケアサロン
発声の仕組みを熟知しているプロによるサロンに通い、喉のケアを施術してもらいました。
☘️セルフケア
日常的に取り入れていたのは以下のようなことです:
- 首・肩・喉まわり・舌・体全体のストレッチ
- 声を出す前に裏声でウォームアップ
- 無理に大声を出さないように話す
「声の出る仕事」と「自分の喉」をどう両立させるか?
発声障害を抱えながら仕事を続けるのは、本当に悩みの多いテーマだと思います。
ずっと無理やり声を振り絞って働いてました。
でもやはり、声に優しくない環境に身を置き続けることは、自分をすり減らすことなんですね。
それからは、少しずつ「自分の声と付き合える仕事スタイル」にシフトしていくようになりました。
普通に声が出る人への嫉妬と、向き合い方
正直に言えば、
「なんであの人は、普通にしゃべれてるんだろう」
「自分だけ、こんなに努力してるのに…」
そんなふうに、周りと比べて落ち込んだことも何度もありました。
また、歌が思うように歌えない苦しみもいやというほど味わいました。
でもある時、ふと「みんなそれぞれ見えないところで違う悩みや苦しみを抱えているんじゃないか」と思うようになりました。
自分が声を出すことに怖さを感じ、もがいてきた経験も、いつか誰かの気持ちを理解する力になるのかもしれない…と、そう思いたい自分がいます。
でも正直、まだそんな気持ちが全部消化できているわけではなくて、葛藤や不安が今も心のどこかに残っています。
だからこそ、前に進もうともがき続けているのかもしれません。
発声障害と向き合う日々は、本当に孤独な戦いでした。
周りにはなかなか理解されず、言葉にできないもどかしさや、悔しさを抱えながら過ごす時間が長く続きました。
自分の声が思うように出せないことで、自信を失い、人前に立つのが怖くなる。
そんな繰り返しの中で、「もうこれ以上頑張れない」と感じることも何度もありました。
けれど、そんなときに助けになったのは、自分のペースで少しずつ続けることの大切さに気づいたことです。
完璧を求めすぎず、小さな変化を喜びながら、心も体も少しずつ慣らしていく。
それが、何よりも自分を支えてくれました。
そして、発声障害を経験したことで、言葉や声の持つ力や大切さに改めて気づかされました。
声が出せること、伝えられることが当たり前じゃないんだと痛感した分、今はその一歩一歩を大切に歩んでいます。
もちろん、まだまだ不安や焦りもあります。
でも、同じ悩みを抱える人たちがいること、その気持ちを少しでも分かり合える場所があることが、前を向く力になっています。
この記事のまとめ
発声障害は、日常のあらゆる場面で支障が出る
人と話すことへの苦手意識が強くなるが、理解者やケアがあると変われる
声に優しい働き方を見つけることが大切
嫉妬や比較の感情も、いつか誰かの力になると信じてよい
👉 発声障害を発症したときのエピソードはこちら
→「販売員とボーカルを両立していた私が、発声障害を発症したきっかけとは?」
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▶ 【動画】発声障害克服のためのボイストレーニング
🎤 別チャンネルのお知らせ
最後に、私ゆーかりの別チャンネル Yuukari Channel のご案内です。
私は発声障害を克服すべく奮闘中ですが、
「今出せる声で、今できることに挑戦しよう!」をモットーに、主にカバー曲を歌っています。
曲数も楽しみながら少しずつ増やしていきますので、ぜひ覗いてみてください。