今回は、渡辺美里さんの1stアルバム「eyes」を、聴いてみての感想と、考察を書いていきたいと思います。
渡辺美里さんは、1985年5月2日にシングル「I’m free」でEPIC・ソニーよりメジャーデビューしました。
このアルバム「eyes」は、1985年10月2日にリリースされた1stアルバムです。
※なお、2015年のデビュー30周年の時に「eyes -30th Anniversary Edition-」というアルバムが発売されていますが、今回は1985年に出ている1stアルバム「eyes」についての解説となっておりますので、あらかじめご了承ください。
渡辺美里の1stアルバム「eyes」曲目紹介
1.「SOMEWHERE(Instrumental)」
作曲・編曲:小室哲哉
(インストゥルメンタル楽曲のため歌詞はありません)
美里さんの声を多重録音したコーラスによるインストゥルメンタル楽曲です。
ちなみに、このアルバム全曲ののコーラスアレンジを小室哲哉さんがおこなっています。
美里さんの声が若くてきれい。まだハスキーさが少なく透き通っていますね。
あ、私はハスキーな美里さんも大好きなんですが。
2.「GROWIN’ UP」
作詞:神沢礼江、作曲:岡村靖幸、編曲:後藤次利
デビュー曲「I’m Free」に続く、2枚目のシングル曲です。
元気いっぱいメジャーコードの曲で、「ザ・岡村靖幸の提供曲」といった感じです。
岡村靖幸さんが美里さんに提供する曲の傾向として、このようなメジャー調で明るいポップな曲と、少し暗くて激しかったりするロックな楽曲と、おおまかに2通りに分かれるように感じます。
岡村靖幸さんのメロディセンスの懐が深いのですね。
バックコーラスは、美里さん自身、岡村靖幸さん、TM NETWORKが担当しています。豪華!!
最高位が83位ということで、まだまだ伸びしろ十分っていう時期ですね。
ちなみにこの曲を、ゆーかりはカラオケで歌いますが、高い声はまだ出ますが、歌詞の早口に徐々についていけなくなりつつあります・・・。
3.「すべて君のため」
作詞:神沢礼江、作曲:岡村靖幸、編曲:後藤次利
この曲も岡村靖幸さん作曲となっております。
明るく元気いっぱいな楽曲で、とりあえず3曲目くらいまでノリノリでぶっ飛ばしていきましょう♪って感じでしょうか。
オクターブで跳躍するメロディがあったり、歌のテクニック的にも難しいのですが、さすがそこはみさっちゃん、難なく歌いこなしてます。
コーラスは、TM NETWORKが担当しております。
編曲は後藤次利さんなんですね。
後藤次利さんといえば、元おニャン子クラブの河合その子さんのご主人ですね。
4.「18才のライブ」
作詞:竹花いち子、作曲:亀井登志夫、編曲:大村憲司
少し変拍子が入ったりする、個性的なロックナンバーとなっております。
作曲は亀井登志夫さんということで、山下久美子さんの「バスルームから愛をこめて」の作曲者でもあるのですね。
5.「悲しいボーイフレンド」
作詞・作曲:大江千里、編曲:後藤次利
こちらは打って変わって、ミディアムテンポで少しはねたリズムの、オシャレでちょっと切ないポップスです。
作詞、作曲は大江千里さんということで、おしゃれなエレピと歌詞でキュンとします。
今現在、新しい彼氏のいる女の子目線なのですが、昔の彼氏のことを思い出しているという曲です。
新しい彼氏がいるけど、元彼とは友達として今でも時々話す仲のようです。
元彼は優しい人で、「今の彼氏とはうまくいってる?」みたいなことを聞いてくるんですね。
そんな優しさが痛くて切ないという曲です。
「昔くれたシャツを今日は重ねてきた、彼氏にとがめられてもいいの」なんていう歌詞もでてきて、この女の子もまだ元彼に少し気持ちがあるのかな?
複雑な心理を見事に描写しているステキな1曲です。
コーラスは、美里さん自身で録音されております。
6.「eyes」
作詞:戸沢暢美、作曲:木根尚登、編曲:西本明
こちらの作曲者はTM NETWORKの木根尚登さんです。
LPレコードの場合は、これはA面の最後の曲です。アルバムタイトルにもなっている曲ですね。
ややゆっくりめのミディアムテンポで、明るい朝の希望を表現したような楽曲です。
この時代はTM NETWORKもまだまだ駆け出しの頃で、美里さんへたくさん楽曲提供していましたね。
木根尚登さんは小室哲哉さんほど多く楽曲提供してはいませんが、どの曲も珠玉のナンバーです。
メロディがとても素晴らしいのですね。
そしてその楽曲を見事に歌いあげる18歳のみさっちゃん、本当にステキなんです。
7.「死んでるみたいに生きたくない」
作詞:戸沢暢美、作曲:小室哲哉、編曲:後藤次利
こちらは通算3枚目のシングル曲として、このアルバムからシングルカットされた曲となっております。
小室節が出てはいるのですが、まだ全開といった感じではなく、若干この当時の流行りの洋楽を意識して作られているように感じます。
最初に歌詞を聴いた時「死んでるみたい」というワードにびっくりしたものです。
なにせ、私がこの曲を最初に聴いた時は少しタイムラグがあるとはいえ、アイドルもまだまだ盛んな時代です。
アイドルは「死んでるみたい」とかの言葉は使いませんから、やはり当時から、アイドルとは一線を画すアーティストだったと思いますね。
マイナー調の楽曲で、美里さんの歌唱力も際立っていて、とてもかっこいい1曲です。
バックコーラスは、TM NETWORKが担当しています。
シングルとして最高位が77位です。
8.「追いかけてRAINBOW」
作詞:渡辺美里、作曲:白井貴子、編曲:後藤次利
こちらは、美里さんご自身で作詞されております。
また、作曲は、美里さんの先輩格にあたる白井貴子さんです。
きれいな透き通った声で歌いあげる、アメリカのカントリーや、フォークソングのにおいがする歌です。
美里さんは昔、「第二の白井貴子」とか「女版、尾崎豊」とか言われてました。
どちらも当たっているようで、それをも超越しているのが渡辺美里だと思います。
この曲とってもステキ。白井貴子バージョンも聴いてみたいな♪
9.「Lazy Crazy Blueberry Pie」
作詞:神沢礼江、作曲・編曲:岡村靖幸
こちらは、岡村靖幸さんが作曲、編曲、コーラスを担当しております。
岡村靖幸さんからの提供楽曲の雰囲気は、わかりやすく「明・暗」に分けられることが多いのですが、こちらの楽曲はその「暗」のほうに位置するマイナー調の楽曲ですね。
プリンスのような、ネチネチしたロックにちょっとセクシーな雰囲気の歌詞がのっていて、美里さんのイメージからすると少し異質な楽曲に感じます。
この当時18歳から19歳にかけての美里さんの、少女から大人になっていく複雑な心情を表現しているのでしょうか。
岡村靖幸さん自身の楽曲にも、このような楽曲は多々あり、洋楽好きな人にはたまらないと思います。
10.「きみに会えて」
作詞:神沢礼江、作曲:小室哲哉、編曲:清水信之
作曲は小室哲哉さんです。
静かな優しいバラードで、恋人へ送るバラードというよりは、悩んでいる若者に寄り添うような歌詞です。
この神沢礼江さんという作詞家さんですが、「GROWIN’ UP」の作詞家さんでもありまして、のちに「Teenage Walk」という名曲も作詞されております。
私はこの作詞家さんの歌詞がとても大好きです。
「さみしくないよ、ヒトリきりじゃないよ」という歌詞が出てきます。
思春期に差し掛かっていたゆーかりの心にとても刺さり、支えられました。
11.「Bye Bye Yesterday」
作詞:渡辺美里、作曲:岡村靖幸、編曲:清水信之
イントロから、モータウン・ サウンドのリズム(ホール&オーツのManeaterみたいなリズム)で入る明るく軽快なロックです。
「ザ・岡村靖幸楽曲」といった感じの曲です。
こちらも美里さんご自身で作詞されております。
今でこそ、全曲の作詞は当たり前の美里さんですが、デビュー当初はプロの作詞家さんによる楽曲も多かったのですよね。
ゆーかりはこのアルバムをLPレコードとCDの両方を持っております。
渡辺美里の1stアルバム「eyes」を聴いての感想・考察
このアルバムが発売されたのは冒頭にもお伝えしました通り1985年です。
ちなみにゆーかりは1970年代生まれなので、この時小学生ですね。
上に兄弟がいるので、80年代の音楽は邦楽、洋楽問わず聴かされていたのでした。
ですが、美里さんの売れるまでのタイムラグもあるので、さすがにリアルタイムに聴いていたというわけではなく、今後ご紹介する「My Revolution」でのヒット後に後追いで聴いたという感じです。
その後、美里さんに憧れてバンド活動までしちゃうんですから♪もちろんボーカルです。
そして、この記事を書いている最中に、この「eyes」というアルバムが、デビュー30周年の2015年に、3曲増えて「eyes -30th Anniversary Edition- [Blu-spec CD2+LP]<完全生産限定盤>」という形で発売されていたことを知りました。
その中には、デビュー曲である「I’m Free」も アルバム未収録ボーナストラックとして入っているということです。
「I’m Free」は私の兄弟がシングルレコードで持っていて、聴いて知っていましたが、当時からなぜデビュー曲のシングル曲をアルバムに入れないのだろう?と不思議に思っていました。
でも30年の時を経てパッケージされたようですね。この増えた3曲に関しましては、また違う機会に書いていきたいと思います。