鼻腔共鳴を活かした発声改善法|喉を守るための科学的アプローチ
発声障害を抱える方の多くが感じる悩みは「喉に力が入りすぎる」というものです。
声を出そうとするほど喉が詰まり、響きがなくなってしまう……。
これは単なる気持ちの問題ではなく、声帯や共鳴腔の使い方が偏っているサインです。
今回は「鼻腔共鳴」という仕組みに注目し、鼻の感覚を利用して喉の負担を減らす発声改善法を解説します。
※ここでお伝えするのはあくまで体験や一般的な知見であり、医学的なアドバイスではありません。
声の響きはどこで作られるのか?
声は声帯の振動だけで作られているわけではありません。
声帯で生まれた音は「共鳴腔」と呼ばれる空間を通ることで、増幅され響きが生まれます。
共鳴腔は大きく分けると3つ。
- 咽頭腔(のどの奥)
- 口腔(口の中)
- 鼻腔(鼻の奥〜頭蓋内の空間)
このうち鼻腔をうまく使えると、喉に力を入れなくても自然に響きが広がるのです。
なぜ鼻腔共鳴が重要なのか?
発声障害のある方は、声を「喉で押し出そう」とする傾向が強くなります。
その結果、声帯に過度な負担がかかり、さらに声が出しにくくなる悪循環に陥ります。
鼻腔共鳴を意識することで、声のエネルギーを喉から鼻や頭へ逃がすことができます。
つまり「喉から声を出す」から「鼻の奥で響かせる」へ意識を移すだけで、負担が大きく減るのです。
エクササイズ① 鼻をかむ動作で息の流れをつかむ
- エア鼻かみをする
鼻をかむときの「ふーん…」という息の流れを真似します。 - その流れで声を出す
出やすい高さで「あー」と声を重ねてみます。
喉から押すのではなく、息の流れに声を乗せるイメージです。 - 50音や文章を読む
その感覚のまま「あいうえお〜」や簡単な文章を読みます。
少しルーズに聞こえるくらいで十分。喉を固めず息の流れを優先してください。
この練習は「声=息の延長」であることを体に思い出させ、喉の力みを和らげます。
👉 この練習を実際に見たい方は、私のYouTube動画で実演しています。
➡ 楽に発声するヒントは鼻をかむこと⁈~エクササイズ付き~
エクササイズ② 鼻の奥の「蓋」を感じる
鼻腔共鳴を強めるには「鼻の奥の高い位置にある蓋(軟口蓋)」を意識することが大切です。
- 「はあー」→「ん」で切り替える
口を開けたまま「はあー」と出し、そのまま「ん」に変えます。
鼻の奥で蓋が閉じる感覚を探しましょう。 - 蓋の開け閉めを繰り返す
「はあー」→「ん」→「あ」→「ん」と切り替えながら、蓋の位置を確かめます。 - 鼻腔に響きを集める
「ん」を繰り返すと、頭の奥に振動が伝わってくるはずです。
これが鼻腔共鳴を使った発声の手がかりになります。 - 👉 実際の声の出し方や「鼻の上から声を出す感覚」を映像で確認したい方はこちら。
➡ 鼻の上から声を出すとはどういうことか?
鼻腔共鳴を使うメリット
喉の負担軽減
声帯に力をかけなくても声が響くため、長時間話しても疲れにくい。
声質が安定する
響きが増すことで、聞き取りやすく安定した声になる。
高音発声が楽になる
裏声や高音を出す際、喉ではなく鼻腔を利用することでスムーズに出せる。
発声障害のリハビリに役立つ
喉を固める悪循環から抜け出し、自然な発声習慣を身につけられる。
注意点と練習のコツ
ただし「鼻の奥を閉じよう」と意識しすぎると逆効果です。
喉が締まってしまう場合は、次の工夫を取り入れてみましょう。
- 息もれした裏声を同時に意識する
- 練習は短時間から始める
- 喉に違和感を覚えたらすぐに休む
「喉で頑張らない」ことが最大のコツです。
実践:会話に取り入れる方法
感覚をつかんだら、日常の挨拶で試してみましょう。
- 「はあー」→「ん」の感覚で
「おはようございます」
「こんにちは」
少し大げさに練習することで、鼻腔共鳴を体に染み込ませることができます。
👉 動画では「おはようございます」などの実演もしています。文章だけでなく、動きや声の響きを体で感じてみてください。
まとめ
発声障害の改善には、喉だけに意識を集中させるのではなく「共鳴腔」を活用することが重要です。
鼻腔共鳴を取り入れることで、喉の負担を軽くし、自然で響きのある声を取り戻すことができます。
- 鼻をかむ動作で息と声を結びつける
- 鼻の奥の蓋(軟口蓋)を感じて響きを育てる
- 息もれ裏声をセットで意識する
声の響きを変えるカギは、実は「鼻の奥」に隠されているのです。
文章だけでは分かりにくい部分もあるので、私のYouTubeチャンネルで実演動画をチェックしていただけると理解が深まります。
✨今回紹介した内容の関連動画はこちら▼▼▼
最後に、私ゆーかりの別チャンネルYouTube・Yuukari Channelのお知らせです。
私ゆーかりは、発声障害を克服すべく奮闘しておりますが、「今出せる声で、今できることに挑戦しよう!」をモットーに、主にカバー曲を中心に歌っております。
曲数も楽しみながら、少しずつ増やしていきたいと思っておりますので、よろしければ、あわせてごらんになってみてください。

いかがでしたでしょうか。この記事があなたが楽に声を出すためのお役に立てればさいわいです。