脱力してもうまくいかないあなたへ
「喉の力を抜こう」「リラックスして声を出そう」——
そう言われても、うまくいかない。
発声障害を経験した方なら、この感覚に何度もぶつかってきたと思います。
私もかつて、「力を抜こう」と意識すればするほど、喉が硬直してしまい、逆に声が出なくなる悪循環に悩まされていました。
喉・体・顔に無意識な力が入り込む
発声障害の人は、喉だけでなく、体や顔全体にも無意識の力みが生じやすいです。
「うまく声を出さなきゃ」と思うたび、体が反応してしまうんですね。
たとえボイストレーニングで裏声練習をしても、力が入ったままだと裏声は出ません。
さらに、「出そう」と力を加えると、喉の奥で余計に詰まってしまいます。

脱力の落とし穴とは?
私も長年、「脱力した状態で声を出す練習」にこだわっていました。
ですが、どれだけ力を抜いても、声を出す瞬間には必ず何らかの“力点”が働きます。
声というのは、力ゼロでは出せないんです。
この「力を完全になくす」という発想そのものが、実は回復を遠ざけていたのかもしれません。

力を「抜く」より「移動させる」

あるとき私は、発想を変えました。
「喉の奥に向かってかかっていた力を、外側へ“移動”させる」イメージをもって声を出すようにしたんです。
たとえば、喉の奥で押さえ込んでいた力を、口の先へスライドさせるような感覚。
すると、声が少しずつ外へ流れ出し、喉のつまりが軽くなる感覚を得られました。
ポイントは、「力をなくす」のではなく「力の向きを変える」こと。
喉の奥に向かっていたベクトルを、口先のほうへ移していくイメージです。
岸田文雄さんのものまねで体感
この「力の移動」を体感するには、元総理大臣・岸田文雄さんのしゃべり方をまねするのが効果的です。
岸田さんは、言葉を前に押し出すように、息と一緒に力を外側へ流す発声をしています。
実際に試すときは、絵本の朗読などを使って、
「一音ずつ息を吐きながら」「口先から声を押し出す」つもりで読んでみてください。
ラッパを吹くように、少し口をすぼめて声を出すと、自然と力が外に流れやすくなります。
岸田さんのまねが難しい場合は、福山雅治さんの話し方でもOKです。

ものまね練習は「会話」にも効く
このような「ものまねエクササイズ」は、実は発声障害にとても実践的です。
というのも、発声障害で一番困るのは、歌よりも日常の会話。
だからこそ、生身の人の話し方をまねして練習することで、練習と実生活をつなげやすくなります。
一方で、ボイトレ的な練習も大切。
ものまね系とボイトレ系のエクササイズを両方バランスよく取り入れると、発声の理解が一段と深まります。
まとめ:力の方向を変えるだけで声は変わる
・喉や体に力が入るのは自然なこと
・声は「力ゼロ」では出せない
・大切なのは、力を「外側に流す」意識
・岸田さんや福山さんのしゃべり方を参考に、力を移動させる感覚を身につける
喉の奥で戦わずに、口の外へ流していく。
この感覚を体で覚えることが、発声障害の改善への大きな一歩になるはずです。
この記事は動画の内容をまとめたものです。文章だけでも理解できるようにしていますが、声のニュアンスや私自身の体験のリアルさは動画の方が伝わりやすい部分もあります。今回の動画はもちろん、他にも発声障害と向き合うための動画をたくさん公開していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
今回のテーマに関連する私の動画はこちら👇
➡ 喉の力を抜こうとするよりも喉の力は移動させよう!~エクササイズ付き~(YouTube)
👉 他の関連動画もこちらのチャンネルで公開しています:
➡ 【動画】発声障害克服のためのボイストレーニング
🎤 別チャンネルのお知らせ
最後に、私ゆーかりの別チャンネル Yuukari Channel のご案内です。
私は発声障害を克服すべく奮闘中ですが、
「今出せる声で、今できることに挑戦しよう!」をモットーに、主にカバー曲を歌っています。
曲数も楽しみながら少しずつ増やしていきますので、ぜひ覗いてみてください。