今回は、レベッカの6thアルバム「Poison」を聴いてみての、感想と考察を書いていきたいと思います。
このアルバム「Poison」は、1987年11月28日リリースされた、オリジナル6thアルバムです。
レベッカは、1984年4月21日、シングル「ウェラム・ボートクラブ」でメジャーデビューしました。
幾度かのメンバーチェンジを経て、今のメンバースタイルに至ります。
【レベッカの現メンバー】
Vo.NOKKO
Key.土橋安騎夫
Bass.高橋教之
Drums.小田原豊
レベッカのアルバム「Poison」の曲目紹介
1.POISON MIND
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
かっこいい!!!
もう大好きです!!この曲。
この曲がオープニングナンバーというところがすごい!
歌詞の内容がまず衝撃でした。
ラブソングだとかいろいろな人へ「愛」を向けた歌はいっぱいありますが、この曲のように「あなたがキライ、死ぬほどキライ」とストレートに歌った歌ってあまり聞いたことがなかったからです。
まさに「毒」な「感情」ですね。
ブラスが効いていますが、もしかしたら土橋さんがシンセで音出しているのかな。
2.MOON
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
こちらは1988年2月26日に、9枚目のシングルとしてシングルカットされた曲です。
2番のBメロに入る直前「先輩」と言っているように聴こえる声が入っていて、幽霊だとみんなで騒いでいたのが有名な話ですね。
私の兄や姉も騒いでいました(笑)
怖いけどいい曲なので何度も聴いてしまうんですよね。
あれはなんのことはない、NOKKOさんがコーラスとして入れた声だそうです。
そうだったのかー。
まだ何もわからない赤ん坊のころから、大人になるまでのさまざまなことを「お月様あなたはなにもかもみているのね」という、どちらかといえば不良少女と呼ばれるであろう、女の子の目線で書かれた歌詞です。
これは土橋さんが何かで語っていたのを記憶しているのですが、この曲は唯一、詞先で作った曲だそうです。
普通このような楽曲というのは、作曲したコードとメロディを渡されて(曲によっては編曲まで仕上がった状態で)、最後に作詞家にまわってきてメロディに詞を載せるということが多いのですが、詞先というのはその名の通り、先に書いた詞の上に歌メロをつけるというものです。
これはねー、カラオケで歌うと高すぎるんですよねー。
キーを下げれば歌えると思いますが、この頃の女性は高音で歌うのがステイタスみたいなのがあって、がんばって張り上げて歌ってましたね。
3.真夏の雨
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
こちらは1987年11月18日にリリースされた8枚目のシングル「NERVOUS BUT GLAMOROUS」のB面の曲です。
NOKKOさんの歌唱力が凄まじい、ダークな世界観のバラードです。
シンセサイザーが入るとこのような世界観が作れるんですよね。
ここが普通のロックバンドとは一線を画す所以ですね。
可愛い声で凄まじい歌唱力。これぞ女子の憧れです。
これだけの高音のロングトーンをスコーンと気持ちよく出しているのを聴くと、聴いているこちらもうっとりです。
4.TENSION LIVING WITH MUSCLE
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
明るい曲調で、このアルバムではめずらしく8ビートの曲となってます。
マドンナの「Material Girl」という曲にも少し似ています。
「Material Girl」に似ているということでは、レベッカの「ラブ イズ Cash」という曲もありますが、この「TENSION LIVING WITH MUSCLE」は、もう少しロック色が強い曲となってます。
思春期の葛藤を歌った歌です。
5.DEAD SLEEP (Instrumental)
作曲・編曲:土橋安騎夫
土橋安騎夫さんのシンセサイザーによる幻想的な世界観のインストゥルメンタル楽曲です。
前後の曲とのお口直し的な役割もあり、CDだとちょうど真ん中の5曲目で、LPレコードだとA面の最後の曲となります。
6.KILLING ME WITH YOUR VOICE
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
オシャレでダンサブルなロックサウンドです。
このアルバムの中ではめずらしいメジャー調の曲です。
アルバム全体が暗めなので、このような明るくノリのいい曲であるだけで、少し気持ちが軽くなります。
歌詞は大人っぽく、都会的な恋愛を綴ってます。
7.NERVOUS BUT GLAMOROUS
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
こちらは1987年11月18日にリリースされた8枚目のシングルです。
このアルバム『Poison』の、先行シングル曲となってます。
この「POISON」というアルバム、全体を通して聴いてみてもロックバンドとしてはかなりオシャレなサウンドでしたね。
シンセサイザーが効いていて、リズムも生ドラムではあるのですが、16ビートで横ノリのリズムの曲が多かったです。
歌詞の内容は「ジェラシー」です。
好きな人が自分以外の女性を気にかけていることを憎らしいということを割とストレートに歌っています。
このころからNOKKOさんは、「気持ちに任せて踊りまくって歌う」というよりは、「事前に決めてある振り付けをダンスする」スタイルにシフトしていった気がします。
NOKKOさんは幼い頃、バレエを習っていたので、ダンスがとても上手なのです。
そしてよく覚えているのは、ソニーのCDコンポ「リバティ」のCMです。
レベッカ自身がCMにこの曲で出演していて、NOKKOさんが、「レベッカはリバティの中にいる!からね。」という決めゼリフを言っていました。
そして姉の部屋には、このリバティが置いてありました。
この当時流行っていたこのCDコンポを買ったんですね。たぶんおこづかい貯めて。
8.CHERRY SHUFFLE
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
こちらの曲も、このアルバムの中では数少ない明るい曲調です。
モータウン調のリズムに乗せて、久しぶりに感じるNOKKOさんの明るく弾けた歌声が印象的です。
歌詞に「ウォール街は今日も大混乱、悪魔の月曜だって」と出てくるのですが、このわずか数年後に日本においても「バブルの崩壊」が起こるなんて思いもしなかったのではないのでしょうか。
9.TROUBLE OF LOVE
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
スローテンポの大人のラブソングです。
私は最初にこの曲を聴いた時に、オードリー・ヘップバーンの恋愛映画を思い浮かべました。
サウンドアレンジが素晴らしいです。
歌詞の世界観も歌唱法も、目を閉じると本当にヘップバーンの恋愛映画が見えるようです。
オーケストラ仕立ての曲なのですが、なんとあの、斎藤ネコカルテットが演奏しています。
10.OLIVE
作詞:NOKKO、作曲:土橋安騎夫
こちらはのちに(1988年8月1日に)リミックスされて、「OLIVE」というリミックス・アルバムにも収録されることになる曲です。
このアルバムは、ノリはいいのですが、全体を通してどちらかというと、暗めで切ない曲が多いのですよね。
この曲もまさにそうで、サウンドはノリがよくダンサブルなのですが、歌詞が切ないですね。
ここからは勝手な想像になってしまいますがご了承ください。
NOKKOさんは旧メンバーの木暮武彦さん(現レッドウォリアーズのギタリスト)と交際しのちに結婚し、そして離婚されたという経緯があります。
このことは、木暮さんの自伝インタビューの中でも語られています。
歌詞に出てくる「OLIVE」という人物を、木暮さんのことだと仮定すると、木暮さんが自伝インタビューでお話されていた、「夢を叶えに二人でアメリカに渡って暮らしていた時期がある」という部分と一致します。
この当時はこんな恋愛をしてみたいと憧れたものです。
いろいろあり、今はそれぞれ違う幸せを掴んでいるお二人ですが、木暮さんからNOKKOさんへの求愛の歌もレッドウォリアーズの中にはいくつもあります。
素敵な恋愛が、たくさんの名曲を私たちに届けてくれたんだなと、ジーンときてしまうゆーかりなのでした。
レベッカのアルバム「Poison」を聴いての感想・考察
いかがでしたでしょうか。
このアルバムも思い入れが強すぎて、かなり主観的になってしまいましたが、今あらためて聴くと、サウンドにしても歌詞にしても「攻めてるなー」と感じました。
「売れ線」と「実験的」を、バランス良く配合してあるって感じですかね。
やはりどんなに実験的なサウンドであろうと、声、歌の素晴らしさがあるから、全てが肯定されるのではないのかな。
NOKKOさんの歌はそれほど素晴らしく、その後、たくさんの女性アーティストへも影響を与えました。
ゆーかりももちろん憧れました。
よろしければぜひ聴いてみてくださいね。