店頭で声が出ないとき、どう立て直す?
発声障害の方にとって、もっとも緊張する場面のひとつが「店頭で声を出すとき」ではないでしょうか。
レストランで注文を伝えるとき、あるいは自分が店員としてお客様を迎えるとき——喉がぎゅっと締まり、その一言がうまく出せない・・・そんな経験、ありませんか?
私自身も、店頭でのやり取りが本当に苦痛でした。
「声が出るか、出ないか」その不安だけで、頭の中がいっぱいになってしまうんですよね。
でも、少しずつ「焦りをリセットするコツ」をつかむことで、今ではだいぶラクに声を出せるようになりました。

今回は、そんな私の経験から見つけた焦りを立て直す3つのコツをお伝えします。
誰もが経験する“店頭の壁”
発声障害のある人にとって、「店頭で声を出す」ことは特別なハードルです。
たとえばお客の立場なら、メニューを指さして注文することはできても、「ソースはどちらになさいますか?」と聞かれた瞬間、喉が固まってしまう。
「出ないかも…」と思うだけで、体も心も緊張してしまうんですよね。
一方、自分が店員の立場だと、さらに難易度は上がります。
「いらっしゃいませ」「ご注文を伺います」「ありがとうございました」——仕事中はとにかく声を出す場面が多く、元気な声が求められます。
その“元気な声”を無理に出そうとすると、喉が詰まり、ますます声が出なくなる悪循環に陥ってしまいます。
焦りと「良い声を出さなきゃ」という思い込み
発声障害の人が店頭で苦しくなる一番の原因は、「声を出さなきゃ」というプレッシャーです。
私もかつては、「通る声で話さないと失礼になる」「ちゃんと聞こえなきゃいけない」と思い込み、喉にどんどん力を入れていました。
でも、結果として出てくるのは“詰まってしまってかえって聞き取りにくい声”でした。
発声障害のときに力で声を出そうとするのは、本当に逆効果です。
3つの立て直し法
①「喉」ではなく「内容」に意識を向ける
声が詰まるとき、人の意識は「うまく声を出すこと」に集中しすぎています。
でも、人間の意識は二つのことを同時に処理できません。
だからこそ、喉よりも「何を伝えたいか」に集中してみましょう。
たとえば、「ありがとうございました」と言うときも、“感謝の気持ちを伝える”ことに意識を置くだけで、声の出方が変わります。
喉へ集中していた意識が少し減り、結果として喉の詰まりが軽くなるのを感じられるはずです。
② 元気=大声ではない
接客では「元気に声を出して」と言われがちですが、実は元気=大きな声ではありません。
声の明るさやエネルギーは、音量ではなく息の流れと表情から伝わります。
イメージは「少し離れた家族に声をかけるけれど、近くの赤ちゃんを起こさないように話す」感覚。
この“ウィスパーボイス”の練習をすると、喉の余計な力が抜け、スッと自然な声に戻りやすくなります。
③ 初音だけウィスパーボイスで切り出す
どうしても最初の声が詰まるときは、「第一声だけ無音(ウィスパー)」で出してみましょう。
ウィスパーボイスは声帯を強く閉じないため、喉が詰まることがありません。
一瞬だけ“無音の入り”を作ることで、喉のブレーキが外れ、スムーズに次の音へつながります。
まとめ
店頭で声が出なくなるのは、決してあなたの努力不足ではありません。
喉を「動かそう」とするよりも、「緊張をゆるめる」方向に意識を変えることが、改善への近道です。
・内容に集中して意識を切り替える
・元気=大声の思い込みを手放す
・初音だけウィスパーボイスで切り出す
この3つを意識するだけで、声の詰まりが軽くなる瞬間がきっとあります。
焦らず、自分のペースで練習していきましょう。
この記事は動画の内容をまとめたものです。文章だけでも理解できるようにしていますが、声のニュアンスや私自身の体験のリアルさは動画の方が伝わりやすい部分もあります。今回の動画はもちろん、他にも発声障害と向き合うための動画をたくさん公開していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
今回のテーマに関連する私の動画はこちら👇
➡ 発声障害あるある(その2)~店頭編~【エクササイズ付き】(YouTube)
👉 他の関連動画もこちらのチャンネルで公開しています:
➡ 【動画】発声障害克服のためのボイストレーニング
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私は発声障害を克服すべく奮闘中ですが、
「今出せる声で、今できることに挑戦しよう!」をモットーに、主にカバー曲を歌っています。
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